Wear OS アプリをデバッグするには、このページで説明するように、Wi-Fi または Bluetooth で開発マシンをスマートウォッチに接続します。スマートウォッチに USB ポートがある場合は、USB での接続も可能です。
以下の関連リソースもご覧ください。
スマートウォッチで開発者向けオプションを有効にする
スマートウォッチでデバッグを行うには、開発者向けオプションを有効にする必要があります。この操作は 1 回だけ行う必要があります。開発者向けオプションは、無効にするまで有効なままになります。
- スマートウォッチの [設定] を開きます。
- [システム] > [デバイス情報] をタップします。
- [ビルド番号] までスクロールし、ビルド番号を 7 回タップします。
- デベロッパーであることを確認するダイアログが表示されます。
Wi-Fi 経由でデバッグする
デバッグを開始する前に、スマートウォッチで開発者向けオプションが有効になっていることを確認します。
スマートウォッチを Wi-Fi ネットワークに接続する
- スマートウォッチの [設定] を開きます。
- [接続] > [Wi-Fi] をタップします。
- ネットワークを選択し、必要に応じてそのパスワードを入力します。
注: スマートウォッチと開発マシンが同じネットワークに接続されている必要があります。すべてのアクセス ポイントを使用できるわけではないことにご注意ください。場合によっては、ファイアウォールが adb をサポートするように適切に設定されているアクセス ポイントを使用する必要があります。
Wi-Fi 経由のデバッグを有効にする
- スマートウォッチの [設定] を開きます。
- [開発者向けオプション] > [Wi-Fi 経由でデバッグ] をタップします。
- しばらくすると、画面にスマートウォッチの IP アドレスが表示されます(例:
192.168.1.100
)。次のステップでこの IP アドレスが必要になるので、メモしておきます。
デバッガをスマートウォッチに接続する
- スマートウォッチと開発マシンが同じネットワークに接続されていることを確認します。
スマートウォッチの IP アドレスを使用してデバッガをスマートウォッチに接続します。たとえば、IP アドレスが
192.168.1.100
の場合、adb 接続コマンドとそのレスポンスは次のようになります(ポート番号5555
がアドレスに追加されています)。adb connect 192.168.1.100:5555 connected to 192.168.1.100:5555
これでスマートウォッチがデバッガに接続されたため、デバッグを開始できます。-s フラグを使用して adb コマンドをスマートウォッチに送信し、スマートウォッチの IP アドレス(ポート番号を含む)を指定します。
adb -s 192.168.1.100:5555 <command>
エミュレータを使用しておらず、デバッグ用に接続されているデバイスが 1 台のみの場合は、アドレスの指定は不要です。
adb <command>
Bluetooth 経由でデバッグする
Bluetooth 経由でデバッグできるのは、Android スマートフォンとペア設定されているスマートウォッチだけです。デバッグを開始する前に、スマートウォッチとスマートフォンがペア設定されており、スマートウォッチで開発者向けオプションが有効になっていることを確認します。また、スマートフォンでも開発者向けオプションが有効になっていることを確認する必要があります。そのためには、スマートフォンの [設定] メニューを開いて [デバイス情報] を選択し、ビルド番号を 7 回タップします。
スマートフォンで USB デバッグを有効にする
- スマートフォンの [設定] メニューを開きます。
- [開発者向けオプション] を選択し、[USB デバッグ] を有効にします。
スマートウォッチで ADB デバッグと Bluetooth 経由のデバッグを有効にする
- スマートウォッチの [設定] メニューを開きます。
- [開発者向けオプション] までスクロールします。
- [ADB デバッグ] が有効になっていることを確認します。
- [Bluetooth 経由でデバッグ] を有効にします。
スマートフォンで Bluetooth 経由のデバッグを有効にする
- スマートフォンで Wear コンパニオン アプリを開きます。
- [詳細設定] まで下にスクロールし、タップして詳細設定のオプションを表示します。
- [Bluetooth 経由のデバッグ] を有効にします。オプションの下に次のようなステータス メッセージが表示されます。
Host: disconnected Target: connected
この時点では、開発マシン(ホスト)はスマートウォッチ(ターゲット)と通信していません。通信を開始するには、リンクを完了する必要があります。
注: デバッグは一度に 1 台のみ行うことができます。複数のスマートウォッチがペア設定されている場合、Bluetooth 経由のデバッグはメイン画面で選択したデバイスでのみ有効になります。
デバッガをスマートウォッチに接続する
この最後のステップでは、デバッガ、スマートフォン、スマートウォッチをすべて使用します。
- USB ケーブルでスマートフォンを開発マシンに接続します。
- デバッガで次の 2 つのコマンドを実行します。
adb forward tcp:4444 localabstract:/adb-hub adb connect 127.0.0.1:4444
注: IP アドレス 127.0.0.1 を使用する必要があります。開発マシンでは使用可能な任意のポートを使用できます。両方のコマンドで同じポートを使用してください(この例のポートは 4444 です)。
- connect コマンドを入力したら、スマートウォッチを確認します。ADB デバッグを許可していることを確認するよう求められます。
- スマートフォンに戻り、Wear コンパニオン アプリのステータス表示が次のようになっていることを確認します。
Host: connected Target: connected
これでスマートウォッチがデバッガに接続されたため、デバッグを開始できます。
Bluetooth を使用してスマートウォッチをデバッグする場合、adb では必ず、IP アドレス 127.0.0.1
と割り当てたポートが使用されます。そのため、すべての adb コマンドで次の形式を使用します(この例のポートも 4444 です)。
adb -s 127.0.0.1:4444 <command>
エミュレータを使用しておらず、デバッグ用に接続されているデバイスが 1 台のみの場合は、アドレスの指定は不要です。
adb <command>
Wear 用に screenrecord を使用する
macOS® で開発を行っている場合は、GitHub プロジェクトの Mac 向け Android ツールを使用して、Wear デバイスで動画を撮影できます。
また、Wear デバイスでの動画の撮影は、次の手順でも行うことができます。
- スマートウォッチで RAW フレームを録画します。
adb shell screenrecord --time-limit 30 --output-format raw-frames --verbose /sdcard/video.raw
- RAW ファイルを開発マシンにコピーします。
adb pull /sdcard/video.raw video.raw
ffmpeg
を使用して RAW ファイルを MP4 に変換します。ffmpeg -f rawvideo -vcodec rawvideo -s 400x400 -pix_fmt rgb24 -r 10 -i video.raw -an -c:v libx264 -pix_fmt yuv420p video.mp4
注: ダウンロードとインストールの手順については、FFmpeg のウェブサイトをご覧ください。