Google Play の対象 API レベル要件を満たす

アップロードする APK は、Google Play の対象 API レベルの要件を満たしている必要があります。

2023 年 8 月 31 日以降:

  • 新規のアプリは Android 13(API レベル 33)以降を対象にする必要があります。ただし、Wear OS アプリは、Android 11(API レベル 30)から Android 13(API レベル 33)までのバージョンを対象にする必要があります。

  • アプリのアップデートは Android 13 以降を対象とし、Android 13 での動作変更に合わせて調整する必要があります。ただし、Wear OS アプリは Android 11 を対象にする必要があります。

永続的な限定公開アプリ(特定の組織にいるユーザーのみに公開される内部配布専用のもの)は、対象 API レベルの要件を満たす必要はありません。

注: 2022 年から、新しいバージョンの Android を搭載したデバイスでは、一部の古いバージョンのアプリは新規ユーザーに提供されなくなります。

新しい SDK をターゲットにする理由

Android のバージョンが上がるごとに、セキュリティとパフォーマンスが改善され、Android のユーザー エクスペリエンスが向上します。このような変更の一部は、targetSdkVersion マニフェスト属性(対象 API レベルとも呼ばれます)で明示的にサポートを宣言しているアプリにのみ適用されます。

アプリで最新の API レベルを対象にするよう設定すると、古いバージョンの Android 上でもアプリの動作を可能としながら、機能強化のメリットをユーザーに提供できます。また、最新の API レベルをアプリの対象に設定することで、プラットフォームの最新機能を活用して、魅力的なユーザー エクスペリエンスを提供することもできます。さらに、Android 10(API レベル 29)以降は、ユーザーがアプリを初めて起動する際、そのアプリが Android 5.1(API レベル 22)以下を対象としている場合に警告が表示されます。

このドキュメントでは、Google Play の要件を満たすために必要な対象 API レベルの更新に関して、知っておくべき重要事項を説明します。

以前のバージョンから移行する際には、以下の変更内容の一覧をご覧ください。

注: Gradle ファイルにマニフェスト エントリが含まれている場合は、アプリの Gradle ファイル内で targetSdkVersion の現在の値を確認、変更できます(ビルドの設定の説明をご覧ください)。または、マニフェスト ファイル内で android:targetSdkVersion 属性を使用することもできます(<uses-sdk> マニフェスト要素に関するドキュメントをご覧ください)。

Android 12(API レベル 31)から Android 13(API レベル 33)に移行する

アプリを更新して Android 13 を対象とするには、動作変更のリストに沿って対応してください。

Android 11(API レベル 30)から Android 12(API レベル 31)に移行する

セキュリティと権限

ユーザー エクスペリエンス

  • カスタム通知: カスタム コンテンツ ビューを使用する通知が、通知領域全体を利用することはなくなります。代わりに、システムで標準テンプレートが適用されます。このテンプレートにより、カスタム通知はどのような状態においても必ず、他の通知と装飾が同じになります。この動作は、Notification.DecoratedCustomViewStyle の動作とほぼ同じです。
  • Android アプリリンクの検証に関する変更: Android アプリリンクの検証を利用する際には、インテント フィルタに BROWSABLE カテゴリが含まれていること、インテント フィルタで HTTPS スキームがサポートされていることを確認します。

パフォーマンス

  • フォアグラウンド サービスの起動に関する制限: アプリが Android 12 以降を対象とする場合、少数の特殊なケースを除いて、バックグラウンドで動作しているときにはフォアグラウンド サービスを起動できません。アプリがバックグラウンドで動作しているときにフォアグラウンド サービスを起動しようとすると、(少数の特殊なケースを除いて)例外が発生します。

    バックグラウンドでのアプリの実行中にスケジュール設定により優先処理を開始できるよう、WorkManager の使用を検討してください。時間的制約のある操作をユーザーがリクエストした場合、その操作を完了するには、正確なアラームの範囲内でフォアグラウンド サービスを開始します。

  • 通知トランポリンの制限: 一部のアプリは、ユーザーが通知をタップしたときの反応として、そのユーザーが確認や操作を行うアクティビティを開始するアプリ コンポーネントを起動します。このようなアプリ コンポーネントを「通知トランポリン」と呼びます。

    アプリでは、通知トランポリンとして使用されるサービスやブロードキャスト レシーバからアクティビティを開始しないでください。ユーザーが通知や通知内の操作ボタンをタップした後に、アプリがサービス内またはブロードキャスト レシーバ内で startActivity() を呼び出すことはできません。

Android 12(API レベル 31)をターゲットとするアプリに影響する変更の一覧をご確認ください。

Android 11(API レベル 30)未満から移行する

移行元の Android バージョンを以下から選択してください。

Android 5(API レベル 21)に移行する

以下に示す各リリースの「動作の変更点」ページをそれぞれ参照して、各リリースで導入された変更点に対応するようにアプリを設定してください。

次のセクションの手順に沿って、設定を続行します。

Android 6(API レベル 23)に移行する

Android 6.0 以上のプラットフォーム バージョンをアプリが対象とする場合、以下の項目について検討します。

  • ランタイム権限

    • 危険な権限が付与されるのは、ランタイムに限られます。UI フロー内で、このような権限の付与に関する情報を提供する必要があります。

    • 可能な限り、権限リクエストを拒否された場合にアプリが対応できるように準備しておく必要があります。たとえば、デバイスの GPS にアクセスするリクエストをユーザーが拒否した場合、アプリが別の方法で処理を進められるようにします。

Android 6.0(API レベル 23)で導入された変更点の一覧については、対象プラットフォーム バージョンの動作の変更点に関するページをご覧ください。

次のセクションの手順に沿って、設定を続行します。

Android 7(API レベル 24)に移行する

Android 7.0 以上のプラットフォーム バージョンをアプリが対象とする場合、以下の項目について検討します。

  • Doze とアプリ スタンバイ

    Doze とアプリ スタンバイ用に最適化するで説明されている動作に合わせて設計する必要があります。これにより、複数のプラットフォーム リリースで順次導入された変更に対応できます。

    デバイスが Doze モードまたはアプリ スタンバイ モードに入ると、システムは次のように動作します。

    • ネットワーク アクセスを制限する。
    • アラーム、同期、ジョブを延期する。
    • GPS と Wi-Fi スキャンを制限する。
    • 優先度が標準の Firebase Cloud Messaging メッセージを制限する。
  • 権限の変更

    • アプリのプライベート ディレクトリへのアクセスは制限されます。
    • アプリの外部に file:// URI が公開されると、FileUriExposedException がトリガーされます。アプリの外部でファイルを共有する必要がある場合は、FileProvider を実装してください。
  • 非 NDK ライブラリへのリンクは禁止されます。

Android 7.0(API レベル 24)で導入された変更点の一覧については、対象プラットフォーム バージョンの動作の変更点に関するページをご覧ください。

次のセクションの手順に沿って、設定を続行します。

Android 8(API レベル 26)に移行する

Android 8.0 以上のプラットフォーム バージョンをアプリが対象とする場合、以下の項目について検討します。

Android 8.0(API レベル 26)で導入された変更点の一覧については、対象プラットフォーム バージョンの動作の変更点に関するページをご覧ください。

Android 8(API 26)から Android 9(API 28)に移行する

Android 9.0(API レベル 28)で導入された変更の一覧については、動作変更をご覧ください。

Android 9(API レベル 28)から Android 10(API レベル 29)に移行する

  • 全画面インテントを使用した通知
    • 通常の権限 USE_FULL_SCREEN_INTENT(実行時の権限ではない)をリクエストする必要があります。
  • 折りたたみ式デバイスと大画面デバイスのサポート
    • 複数のアクティビティを同時に「再開」状態にできるようになりましたが、実際にフォーカスされるのは 1 つのみです。
      • この変更は、onResume()onPause() の動作に影響します。
      • onTopResumedActivityChanged() をサブスクライブすることで検出できる「最上位の再開」という新しいライフサイクル コンセプト。
        • 「一番に再開」できるアクティビティは 1 つのみです。
    • resizeableActivityfalse に設定されている場合、アプリは minAspectRatio も指定できます。これにより、狭いアスペクト比でアプリが自動的にレターボックス表示されます。
  • プライバシーに関する変更点
    • 対象範囲別ストレージ
      • 外部ストレージへのアクセスは、アプリ固有のディレクトリと、アプリが作成した特定のタイプのメディアのみに制限されます。
    • アプリがバックグラウンドで動作しているときに位置情報へのアクセスを制限し、ACCESS_BACKGROUND_LOCATION 権限を必要とする。
    • IMEI やシリアル番号など、リセットできない識別子へのアクセスの制限。
    • ユーザーの歩数など、身体活動情報へのアクセスが制限され、ACTIVITY_RECOGNITION 権限が必要です。
    • 一部の電話、Bluetooth、Wi-Fi の API へのアクセスが制限され、ACCESS_FINE_LOCATION 権限が必要です。
    • Wi-Fi 設定へのアクセスの制限

Android 10(API レベル 29)から Android 11(API レベル 30)に移行する

Android 11(API レベル 30)で導入された変更点の一覧については、動作の変更点に関するページをご覧ください。

次に、上記のセクションの手順に沿って API 31 への更新を行います。

アプリをモダナイズする

アプリの対象 API レベルを更新する際は、最新のプラットフォーム機能を採用してアプリをモダナイズし、ユーザー エクスペリエンスを高めるように検討してください。

  • ベータ版の CameraX を使用して、カメラを最大限に活用することを検討してください。
  • Jetpack コンポーネントを使用すると、おすすめの方法に沿って開発を進めながら、ボイラープレート コードを作成する手間を省き、複雑なタスクを簡素化できるので、コードの重要な部分に集中できます。
  • Kotlin を使用すると、アプリの質を高め、コードと作成時間を削減できます。
  • 以下のプライバシーに関する要件とおすすめの方法に沿っているかどうかを確認します。
  • アプリにダークテーマのサポートを追加します。
  • アプリにジェスチャー ナビゲーションのサポートを追加します。
  • Google Cloud Messaging(GCM)から Firebase Cloud Messaging の最新版にアプリを移行します。
  • 高度なウィンドウ管理を活用します。

SDK とライブラリを確認、更新する

サードパーティ SDK の依存関係が API 31 に対応していることを確認します。SDK プロバイダによっては、依存関係をマニフェスト内公開しています。公開されていない場合は、さらに調べて確認します。API 31 に対応していない SDK を使用する場合は、最優先事項として、SDK プロバイダと協力してこの問題を解決してください。

また、開発するアプリやゲームの targetSdkVersion によっては、Android プラットフォームのプライベート ライブラリへのアクセスが制限されることがあります。詳しくは、プラットフォーム ライブラリにリンクした NDK アプリをご覧ください。

また、使用している Android サポート ライブラリのバージョンに制限があるかどうか確認する必要があります。通常のように、Android サポート ライブラリのメジャー バージョンとアプリの compileSdkVersion との互換性を確保する必要があります。

サポート ライブラリのメジャー バージョン以下の targetSdkVersion を選択することをおすすめします。最新の互換性機能とバグ修正を利用するために、互換性のある最新のサポート ライブラリに更新することをおすすめします。

アプリをテストする

アプリの API レベルと機能を適切に更新したら、主要なユースケースをいくつかテストする必要があります。テストプロセスのガイドとして、以下をご覧ください。次のようなテストをおすすめします。

  • エラーや警告なしにアプリを API 29 にコンパイルできるかどうか。
  • ユーザーが権限のリクエストを拒否した場合にアプリが対応できるかどうか。ユーザーに権限の許可を求めるプロンプトが表示されるかどうか。手順は次のとおりです。
    • アプリの [アプリ情報] 画面に移動し、各権限を無効にします。
    • アプリを開いて、クラッシュが発生しないことを確認します。
    • 主要なユースケースをテストして、必要な権限について再度プロンプトが表示されるかどうかを確認します。

  • エラーなしで想定どおりの結果で Doze を処理します。
    • adb を使用して、アプリの実行中にテストデバイスを Doze モードにします。
      • Firebase Cloud Messaging メッセージをトリガーするユースケースをテストします。
      • アラームやジョブを使用するユースケースをテストします。
      • バックグラウンド サービスに対する依存関係を排除します。
    • アプリをアプリ スタンバイ モードに設定します。
      • Firebase Cloud Messaging メッセージをトリガーするユースケースをテストします。
      • アラームを使用するユースケースをテストします。

  • 撮影中の新しい写真や動画を処理できるかどうか。
  • 他のアプリとのファイルの共有を処理できるかどうか。
    • ファイルデータを他のアプリと共有するユースケースをテストします(同じデベロッパーの別アプリでもテストします)。
    • 他のアプリ内でコンテンツを表示できるか、表示したときにクラッシュが発生しないかテストします。

追加情報

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