Android Studio をインストールした後は、自動更新と Android SDK Manager により、簡単に Android Studio IDE と Android SDK Tools を最新に保つことができます。
IDE の更新とチャンネルの変更
IDE のアップデートが利用可能になると、Android Studio は小さなバブル ダイアログで通知します。また、[Help] > [Check for Update](Mac では [Android Studio] > [Check for Updates])をクリックして、アップデートを手動で確認することもできます。
Android Studio のアップデートは、次のリリース チャンネルから入手できます。
- Canary チャンネル: テスト中の最新リリースで、ほぼ毎週更新されます。developer.android.com/studio/preview でダウンロードできます。
Android Studio の Canary 版に加え、その他の SDK Tools(Android Emulator など)のプレビュー版を受け取ることもできます。
このチャンネルのビルドには多くのバグが含まれている可能性がありますが、テストは実施されています。Google がこれらのビルドを提供しているのは、デベロッパーが新機能を試してフィードバックを提供できるようにするためです。このチャンネルは、本番用の開発には推奨されません。
- Dev チャンネル: 社内テストにすべて合格して選ばれた Canary ビルドです。
- Beta チャンネル: 安定した Canary ビルドをベースにしたリリース候補で、Stable チャンネルで公開する前にフィードバックを受ける目的でリリースされます。
- Stable チャンネル: developer.android.com/studio でダウンロードできる公式の安定版リリースです。
本番環境用の Android プロジェクトには Stable ビルドを使用する一方で、いずれかのプレビュー チャンネル(Canary、Dev、Beta)も試したい場合は、両方をサイド バイ サイド インストールできます。
既存のインストールのアップデート チャンネルを変更する手順は次のとおりです。
- [File] > [Settings](Mac の場合は [Android Studio] > [Preferences])をクリックして、[Preferences] ウィンドウを開きます。
- 左側のパネルで、[Appearance & Behavior] > [System Settings] > [Updates] をクリックします。
- [Automatically check for updates] がオンになっていることを確認し、プルダウン リストからチャンネルを選択します(図 1 を参照)。
- [Apply] または [OK] をクリックします。

図 1. Android Studio のアップデートの設定
未使用の Android Studio ディレクトリの削除

Android Studio のメジャー バージョンを初めて実行する際、Android Studio は、対応するインストールが見つからない Android Studio バージョンのキャッシュ、設定、インデックス、ログを格納しているディレクトリがないか探します。未使用ディレクトリが見つかった場合、その場所やサイズ、最終更新日時が [Delete Unused Android Studio Directories] ダイアログに表示され、削除オプションが表示されます。
Android Studio が削除対象と見なすディレクトリは以下のとおりです。
- Linux:
~/.AndroidStudio[Preview]_version_
- Mac:
~/Library/{Preferences, Caches, Logs, Application Support}/AndroidStudio[Preview]_version_
- Windows:
%USER%\.AndroidStudio[Preview]_version_
SDK Manager でのツールの更新
Android SDK Manager では、アプリの開発に必要な SDK ツール、プラットフォーム、その他のコンポーネントをダウンロードできます。ダウンロードされた各パッケージは、図 2 の [Android SDK Location] で示されているディレクトリに格納されます。
Android Studio から SDK Manager を起動するには、[Tools] > [SDK Manager] をクリックするか、ツールバーで SDK Manager アイコン をクリックします。Android Studio を使用していない場合は、
sdkmanager
コマンドライン ツールを使用してツールをダウンロードできます。
すでに所有しているパッケージのアップデートが使用可能になると、パッケージの横のチェックボックスにダッシュ が表示されます。
- アイテムを更新する、または新しいアイテムをインストールするには、チェックボックスをクリックしてオンにします。
- パッケージをアンインストールするには、チェックボックスをクリックしてオフにします。
保留中のアップデートは、左の列に表示されるダウンロード アイコン によって示されます。保留中の削除は、赤い印
によって示されます。
選択したパッケージを更新するには、[Apply] または [OK] をクリックして、使用許諾に同意します。

図 2. Android SDK Manager
推奨パッケージ
[SDK Tools] タブで特に注目すべきツールをご紹介します。
- Android SDK Build-Tools
- 必須。Android アプリをビルドするために必要なツールが含まれています。SDK Build Tools のリリースノートをご覧ください。
- Android SDK Platform-Tools
- 必須。adb ツールなど、Android プラットフォームに必要な各種ツールが含まれています。
- Android SDK Tools
- 必須。ProGuard などの基本的なツールが含まれています。SDK Tools のリリースノートをご覧ください。
- Android Emulator
- 推奨。実際の Android ランタイム環境でのアプリのデバッグとテストに使用できる、QEMU ベースのデバイス エミュレーション ツールです。Android Emulator のリリースノートをご覧ください。
注: これまで Support Repository パッケージで提供されていたほとんどの API ライブラリ(Android サポート ライブラリ、Constraint Layout、Google Play 開発者サービス、Firebase など)は、現在は Google の Maven リポジトリで提供されています。Android Studio 3.0 以降で作成されたプロジェクトでは、このリポジトリがビルド設定に自動的に含まれます。それより前のプロジェクトを使用している場合は、Google の Maven リポジトリを build.gradle
ファイルに手動で追加する必要があります。
[SDK Platforms] タブでは、Android プラットフォームのバージョンも 1 つ以上インストールする必要があります。バージョンごとに複数のパッケージが用意されています。必要なバージョンのみをダウンロードするには、バージョン名の横のチェックボックスをオンにします。
各 Android プラットフォームで利用可能なパッケージをすべて表示するには、ウィンドウの下部にある [Show Package Details] をクリックします。プラットフォームの各バージョンには以下のパッケージが含まれています。
- Android SDK Platform
- 必須。アプリをコンパイルできるようにするには、環境内に少なくとも 1 つのプラットフォームが必要です。最新のデバイスで優れたユーザー エクスペリエンスを提供するために、アプリのビルド対象として最新バージョンのプラットフォームを使用してください。以前のバージョンでもアプリを実行することはできますが、最新バージョンの Android を搭載したデバイスで最新の機能を使用するには、ビルド対象を最新バージョンにする必要があります。
- Intel または ARM システム イメージ
- 推奨。Android Emulator を実行するには、システム イメージが必要です。プラットフォームのバージョンごとに、サポート対象のシステム イメージが含まれています。システム イメージは、後で Android Virtual Device(AVD)を AVD Manager で作成する際にダウンロードすることもできます。開発用コンピュータのプロセッサに基づき、Intel または ARM を選択します。
注: Google Play 開発者サービス(Firebase を含む)の API を使用する予定の場合は、Google API システム イメージまたは Google Play システム イメージを使用する必要があります(後者には Play ストア アプリが含まれています)。
このリストはすべてを網羅しているわけではありません。その他のサイトを追加することで、サードパーティのパッケージをダウンロードすることもできます。
場合によっては、SDK パッケージで別のツールの最小限の変更が必要になることもあります。その場合、SDK Manager で警告によって通知され、ダウンロードの一覧に依存関係が追加されます。
ヒント: build.gradle
ファイルをカスタマイズして、各プロジェクトで特定のビルドチェーンとコンパイル オプションを使用することもできます。詳しくは、Gradle ビルドの設定の説明をご覧ください。
SDK ツールサイトの編集または追加
Android Studio が Android のツールやサードパーティ製ツールの更新を確認する SDK サイトを管理するには、[SDK Update Sites] タブをクリックします。独自のツールをホストするサイトを追加して、そのサイトからパッケージをダウンロードできます。
たとえば、携帯通信会社やデバイス メーカーが、自社の Android デバイスでサポートされる追加の API ライブラリを提供することもあります。そのようなライブラリを使って開発する場合、[SDK Update Sites] で SDK ツールの URL を SDK Manager に追加することで、Android SDK パッケージをインストールできるようになります。
携帯通信会社やデバイス メーカーが自社のウェブサイトに SDK アドオン リポジトリ ファイルをホストしている場合は、次の手順でそのサイトを Android SDK Manager に追加します。
- [SDK Update Sites] タブをクリックします。
- ウィンドウ下部にある Add アイコン
をクリックします。
- サードパーティのサイトの名前と URL を入力し、[OK] をクリックします。
- [Enabled] 列のチェックボックスがオンになっていることを確認します。
- [Apply] または [OK] をクリックします。
これで、サイトで利用できるすべての SDK パッケージが [SDK Platforms] または [SDK Tools] タブに適宜表示されます。
不足しているパッケージの Gradle での自動ダウンロード
コマンドラインからビルドを実行する場合、または Android Studio 3.3 以降を使用している場合、対応する SDK ライセンス契約が SDK Manager を通じてすでに承認されていさえすれば、プロジェクトに必要な不足している SDK パッケージを Gradle が自動的にダウンロードします。
SDK Manager を使用してライセンス契約を承認すると、Android Studio が SDK のホーム ディレクトリ内にライセンス ディレクトリを作成します。このライセンス ディレクトリは、不足しているパッケージを Gradle が自動ダウンロードするために必要です。
注: android
コマンドライン ツールを使用してライセンス契約を承認した場合、このライセンス ディレクトリは作成されません。この機能を使用できるようにするには、まず、SDK Manager を使用して契約を承認する必要があります。
ライセンス契約を承認したワークステーションとは別のワークステーションでプロジェクトを構築する場合は、承認済みのライセンス ディレクトリ全体をコピーすることによってライセンスをエクスポートできます。ライセンスを別のマシンにコピーする手順は次のとおりです。
- Android Studio がインストールされているマシンで、[Tools] > [Android] > [SDK Manager] をクリックします。ウィンドウ上部の [Android SDK Location] の設定をメモしておきます。
- そのディレクトリに移動して、その中で
licenses/
ディレクトリを探します(licenses/
ディレクトリが見つからない場合は、Android Studio に戻って SDK Tools を更新し、ライセンス契約を承認します。Android SDK のホーム ディレクトリに戻ると、今度はディレクトリが表示されるはずです)。 licenses/
ディレクトリ全体をコピーして、プロジェクトを構築するマシン上の Android SDK のホーム ディレクトリに貼り付けます。
これで、プロジェクトに必要な不足しているパッケージを Gradle が自動ダウンロードできるようになります。
この機能は、Android Studio で実行したビルドでは自動的に無効化されます。これは、不足しているパッケージのダウンロードを SDK Manager が IDE に代わって処理するためです。この機能は、プロジェクトの gradle.properties
ファイルで android.builder.sdkDownload=false
を設定することにより、手動で無効にすることもできます。